飛騨国府には、うつくしい自然に育まれた豊かな幸があり、飛騨びとのくらしを穏やかに包んでくれています。滝の音に耳をすますと、心にやさしい時が満ちてきます。古寺にたたずめば、ひたひたと歴史の波が聞こえてきます。
国府町エリアの特徴
歴史のロマンに心から溶けて、からんだ心の糸がほどけていく
飛騨国府は、千数百年前、斐陀国(ひだのくに)の中心地「国府」として栄えました。風が香り、風が色づく、風の郷。土が香り、土が色づく、土の郷。季が香り、季が色づく、季の郷。飛騨路を北へたどると、なつかしい、ぬくもりに満ちた郷「飛騨国府」があります。初めて訪れた地なのに、なぜか不思議と懐かしさに包まれます。日本の原風景が色濃く残る歴史、民俗、自然をたずねて、この地になぜ「国府」がおかれたのかわかるような気がすることでしょう。
国府町の自然を楽しむ
おおらかな自然をたずねて
宇津江(うつえ)地区には、大蛇伝説を秘めた大小13の滝が連なる渓谷美の「宇津江四十八滝」(県立自然公園)があります。日本の自然100選、岐阜県名水50選に選ばれ、四季折々に表情を変える景色は魅力的です。清らかな滝の水で甘みのある「飛騨とらふぐ」が養殖され、食することができます。
荒城(あらき)地区には、西国三十三か所札所巡りを擁する鎮守の森「洗心の森」があります。日本でも数少ない1000段の石段があり、頂上(標高約850m)の展望広場からは、乗鞍や御嶽、白山連峰などの大パノラマが満喫できます。荒城川流域に広がる見事な田園風景は、日本の原風景を楽しむ里山サイクリングの人気が高いモデルコースの1つです。
飛騨国府は、飛騨桃の産地です。寒暖の差が厳しく、丹精込めて育てられた桃は大変甘みが強く、みずみずしいのが特徴です。産地直売施設「特選館あじか」には地域の旬の山菜・野菜や果物が並び、早朝から市内外からのたくさんのお客さんでにぎわいます。
国府町のオススメスポット
古代から近世までの歴史をたずねて
弥生時代の水田跡が出土した飛騨国府には現存する古墳の数が約200あり、直径約70mもある亀塚古墳から出土した類を見ない甲冑(よろい・かぶと)・刀剣一式は、国府支所ロビーに常設展示されています。奈良県明日香村の石舞台古墳の大きさを連想させる石室を持つ「こう峠口古墳」は、一見の価値があります。室町時代の山城遺構が良く残る「広瀬城跡」は、保存状態の評価が高く注目されています。
1300年前の飛騨の匠の技を伝える日本最古の回転式輪蔵を収めた「安国寺経蔵」(国宝)や鎌倉の鶴岡八幡宮と深いつながりのある「荒城神社」(国重文)などの日本遺産建造物を見ることができます。飛騨の匠の技とこころは、脈々と現代に伝承され建築・工芸等に息づいています。
江戸時代には、円空がこの地に滞在し等身大の名作「清峯寺・円空仏三体」を残しました。なかでも、千手観音菩薩は最高傑作といわれ県内外からの拝観者が絶えません。
国府町のイベント
四季の花々や民俗をたずねて
桜の名勝「桜野公園」は、南北朝末期に大和国吉野山から移植した桜がはじまりといわれ、園内と宮川沿いに約300本の桜が咲き乱れます。5月~6月には「花の森四十八滝山野草花園」で約15万本のクリンソウ、ササユリなどの花々、9月には町内で一面に咲くそばの花を見ることができます。
飛騨国府を代表する郷土芸能「金蔵獅子(きんぞうじし)」。国府町広瀬町、上広瀬、金桶の三地区の金蔵獅子(県指定重要無形民俗文化財)は芸術的価値が高く地域の特色を良く伝えており、5月、9月の祭礼時に奉納されます。金蔵獅子は、天狗面をつけた男神(金蔵)と、お福面をつけた女神(おかめ)が協力して、田畑を荒らす獅子を退治する物語が演じられます。年末には、厳寒の荒城川で老若男女が行水する阿多由太(あたゆた)神社の「みそぎ神事」が催行され風物詩のひとつとなっています。