古い町並(国選定重要伝統的建造物群保存地区)

城下町の中心、商人町として発達した上町、下町の三筋の町並みを合わせて「古い町並」と呼んでます。出格子の連なる軒下には用水が流れ、造り酒屋には看板ともいわれる杉の葉を玉にした「酒ばやし」が下がり町家の大戸や、老舗ののれんが連なっています。   ■金森長近(かなもりながちか)の城下町づくり■ 飛騨を治めることになった金森長近は、それまでの豊富な経験を生かし、経済基盤のしっかりとした城下町づくりを目指しました。この城下町の中の商人町の一部が、現在、古い町並として受け継がれています。 長近が造った城下町はどのような町だったのでしょうか。 長近はまず、現在、城山と呼ばれている山に高山城を築きました。領主は高い所に居住するという考え方があり、長近も山の上の本丸に住んでいたようです。城の周りには外敵から城を守るように家臣の屋敷群が置かれました。これらの屋敷群はほとんどが商人町より一段高い場所にあり、地元では現在その一部を「空町(そらまち)」「ソラ」などと呼んでいます。武士と商人の身分の違いを、住む場所の高さによっても明確にしていました。 商人町は武士の居住する台地より10メートルほど低い場所に築かれましたが、街道と直結し交通の便が良い場所でした。長近は武士の町も商人の町も2本の川で囲みました。現在は、江名子川(えなこがわ)、宮川(みやがわ)と呼ばれ、旧城下町の景観形成に重要な要素となっています。 商人町はその後繁栄をつづけ、富と財産を築きあげました。しかし、身分制度が厳しく、豪華な町家を作ることはできませんでした。そのため表通りからは高さも低く、質素な住宅も兼ねた店舗が立ち並ぶことになり、この商家群の一部が現在の伝統的建造物群保存地区となっています。   ■町屋の特徴■ 高山の町家は、前側の屋根の高さは4メートル少しと大変低くなっています。屋根は道路の水路まで飛び出て、屋根から落ちた雨水がちょうど水路に落ちるようになっていました。それで、屋根の軒先がきれいに揃っていたのです。 今は雨を受け止める雨樋が取り付けられ、各家の軒先はあまり揃わなくなりました。道路に面した部屋はミセといって商品を陳列する部屋ですが、80年から90年位前に商店をやめたところが多く正面に格子が取り付けられました。この格子が、高山の町並みの特徴となり、縦横の直線美と落ち着いた色調は、日本有数の商家群保存地区となっています。 内部は、南側のドジを通って土足のまま裏まで行くことができ、中庭を経て土蔵に至ります。土蔵は火災に強く、大事な家財道具をこの中に格納しておきました。元々、日本の民家は調度品や生活用具は土蔵に納めておき、居室はあまり物を置かないのが普通でした。また、土蔵は防火の役割を果たしていて、連続する土蔵の列は延焼をくい止める防火帯として効果があり、現在も大切にされています。

タイムスリップしたかのような雰囲気。浴衣や着物での散策にもピッタリです。

タイムスリップしたかのような雰囲気。浴衣や着物での散策にもピッタリです。

古い町並や周辺には高山の酒蔵の7蔵が位置し、歩いて巡ることができます。

古い町並や周辺には高山の酒蔵の7蔵が位置し、歩いて巡ることができます。

スポット概要

住所 三町伝統的建造物群保存地区 高山市上一之町、上二之町、上三之町、片原町、神明町4丁目の各一部 下二之町大新町伝統的建造物群保存地区 高山市下一之町、下二之町、下三之町、八幡町、大新町1丁目、大新町2丁目、大新町3丁目、大新町4丁目の各一部
お問合せ 0577-32-3333
アクセス JR高山駅より徒歩12分
駐車場 周辺の有料駐車場をご利用ください。関連リンク参照 高山市街地駐車場満車・空車情報(外部リンク)
関連リンク http://parking.takayama.gifu.jp/

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